東野圭吾『手紙』
本日の一冊は、東野圭吾『手紙』。
強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く……。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き、感動を呼んだ不朽の名作。解説・井上夢人~文庫裏表紙より~
最近東野圭吾にハマり始めたO阪さんから借りました。本作は上記のとおり重いテーマです。ちょうど映画が公開しているようで、映画の宣伝では「ものすごく泣ける」という印象ですが、小説では恐ろしいくらい淡々と物語が進んでいきます。正直に言うとQとしては感動的な気持ちよりも、小説の内容に対して「まあそうだろうなぁ」と妙に納得する気持ちのほうが強かったです。
本作では「人の絆とは何か」というよりも「世間とは何か」というテーマがメインに語られているような気がします。普段何気なく暮らしている社会が実はどういうところなのか。その“社会”には当然自分も含まれるわけです。したがって“強盗殺人”とはまったくもって無縁である大多数の人にとっても、一種の感慨や“気づき”をもたらしてくれる小説です。
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» 「手紙」東野圭吾著、読んでみました。 [男を磨く旅]
「手紙」東野圭吾著、読んでみました。「東野圭吾」15作目です。かなり重い内容ですし、楽しい話じゃ無いんですが、作者の力量もありどんどんページが進みました。「剛志」が犯した「重罪」の波紋が消える事無く「直貴」に訪れる「幸せの芽」を悉くかき消してゆく。直貴を取り巻く社会の大人たちの振る舞いも、殆どが「善と偽善」の狭間のような対応なだけに、直貴自身も納得できてしまうのが「つらい現実」だ。本人が全く悪い事を何一つしてないだけに、読者の殆どがその「やるせなさ」や「憤り」を感じる展開だが... [続きを読む]
受信: 2007年6月 1日 (金) 05:13


コメント
千葉高クラゲ部後輩のはなえ(かえ)です♪私もつい2週間前くらいに手紙読みました!!ってか最後が納得いかなかった!!でも手紙読んだ先輩と討論した結果、やっぱり実際にああなったらああなるんだろうってなって、でもまだちょっとモヤっとしてます。感動して泣きたくて読んだのにQさんみたいに全然泣けなくて、でも先が気になってどんどん読んでしまいました。余韻を持たせる終わり方をする作品が多いので、読み終わって1週間くらいはずっとその本のことばかり考えちゃうはなえなのでした~。
投稿 はなえもん | 2006年11月30日 (木) 22:56
レビューにも書いたのですが、これは道徳の本ですよ。犯罪はどれだけ周囲を傷つけるか。。
それはまあ、あるのだけどストーリーは嫌いでした。殺人に使ったドライバーもたまたま使ったのではなく、押し入るのなら最初から想定していた範囲でしょう。つまり盗みだけでなく最初から見つかった時の想定をしていただけ。当人にとっては必然ではないかと思ってしまいます。だから、それをだらだらタマタマと書くところが話を作りすぎ、という感じを持ってしまった次第です。世の中はもっともっと偶然が積み重なってそれが必然になっていると思うので、巻き込まれた家族がおかれるシチュエーションを書きたいと思う気持ちはわかるのですが、やっぱり作り話に読めてしまいました。自分がその立場に置かれるはずがないと、安穏としているせいもあるのでしょうが。。泣けないのは(違っていたら申し訳ないけど)作り話っぽいからではないかな。
投稿 じゅん | 2006年12月 1日 (金) 00:22
はなえもん、はなえも~ん。
失礼。意味はないです。本作は『白夜行』とか『殺人の門』とかと同じ、東野のダークサイド系作品ですよね。こういうのは読んだあと、ずーんといつまでも余韻が残るし、ほんと一週間くらい考えさせられるものが多いです。Qは“涙したい”と思ってこの本を読んだわけではないので、これはこれでOKだと思いましたよ。
じゅんさん。
そうそう、まさに道徳の本という感じです。物語が作為的でなくもっと自然だったら確かに感動ものかもしれませんね。映画はやっぱり大多数の人の心をつかむ必要があるので感動的な物語に仕上げているようですが、小説はあえて淡々と作っているのではないだろうかと思うんです。読者に“気づき”を得てほしい、こんな現実がある(ありうる)ことに気づいてほしいという著者からのメッセージが込められているように思います。
投稿 Qちゃん | 2006年12月 1日 (金) 01:25
約一週間かけて拝読しました。ちょうど秋葉原で大きな事件あったばかりでより重く感じられました。イマジンは理想なんですかね。ビートルズは若くして成功してるし。現実の大人の社会は理不尽な事多いです。こうゆう差別はあるんでしょう民意の高い低いにもよりますが不遇な人はこの小説は客観的に見られないかも。それにしても今まで取り上げてそうで意外に取り上げていなかった厳しいテーマに正面からという感じです
投稿 福田浩司賞味大臣 | 2008年6月14日 (土) 21:23